近年、学校や公共施設の屋上、コンビニやショッピングモールなどの商業施設、空き地や田んぼなど、さまざまな場所に大規模な太陽光発電が設置されるケースが増えて来ました。
これは、住宅用の太陽光発電とは異なり、一般住宅以外(非住宅用)の場所に設置する太陽光発電で「産業用太陽光発電」と呼ばれ、公共施設や事業所、店舗や商業施設、活用していない土地などを利用した太陽光発電で収益を生み、あわせて節税対策を可能にするクリーンなエネルギー事業なのです。
平成24年7月に始った「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」は、太陽光発電システムで発電した電力を、電力会社が一定期間、固定価格で買い取るというもので、買い取り価格が他の再生可能エネルギーに比べてかなり高めの設定になっていることが大きな魅力となっています。
太陽光発電によって発電した電力を、電力会社が買い取るのには二通りの制度があり、一般住宅用太陽光発電の場合は「余剰電力買取制度」が適用されます。これは、住宅の屋根や屋上に設置した太陽光発電システムによって発電した電気量が、自宅で消費した電気量を上回った場合、余った電力を1キロワット時あたり38円(2013年4月現在)の価格で電力会社に10年間に渡って売ることができるという制度です。それに対して、産業用太陽光発電の場合は(平成24年7月1日より)「余剰電力買取制度」から「全量買取制度」へ適用が変更され、発電した電気のすべてを売電できるようになっており、現在では圧倒的に産業用の方が有利な制度となっています。
発電量 | 買取り価格(H26年度) | 買取り形態 | 買取期間 | |
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住宅用太陽光発電 | 10kW未満 | 37円(税込)(kw/h) | 余剰買取り | 10年間 |
産業用太陽光発電 | 10kW以上 | 32円(税抜)(kw/h) | 全量買取り | 20年間 |
10kW未満の住宅用太陽光発電は消費税込みの買取価格で37円となっており、産業用太陽光発電の
買取価格は外税(買取価格32円+消費税)で買取価格を定めています。
住宅用太陽光発電は家の屋根にしか設置することができませんが、産業用太陽光発電は、学校の屋上や商業施設の屋上、更地や山林など、現在使われていない遊休地に設置することが可能なので、「使っていない畑を有効に活用したい」「相続を考えないといけない土地がある」など、土地活用の課題や固定資産税・節税対策にも有効です。